テスト作成のための学力観

 今年度転任した学校で同僚の数学の先生から,「試しに昨年度のテストを生徒にやらせてください」と言われたので,やらせてみた。

 問題を見てびっくりしたことは問題数の多さである。12点の問題があり、さらには1点の問題まで存在するのだ。もちろんこの時期は計算の単元なので,計算が多くなり問題が多くなることは仕方がないことである。しかし,12点であれば問題数はおよそ50問以上ということは11分以内なのである。

 これでテスト中,生徒は考えることができているのであろうか?

 PISA型の学力と言われて久しい。これをつけるためには普段からのテストや授業も変えていく必要がある。もちろん計算は数学の土台であり,大切であることは否定しないが,定期テストから生徒自身が問題を読んで,そ中から解決に必要な情報を把握し,今まで学んだ解決の方法を想起し,解決していくという問題解決のプロセスを踏む経験も,テストの中で養う必要がある。

 いつまでも鍛錬ばかりに終始していれば,いつまで経っても世界で通用する力をつけることは遠いことである。